ノースウエスト航空とデルタ航空、チャプター11適用申請

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とうとう来るべきものが来てしまった、という感じです。
米デルタ航空、連邦破産法11条の適用を申請
かねてより資金繰りの悪化を表明していた米デルタ航空が14日、連邦破産法11条の適用をニューヨーク南部地区破産裁判所に申請した。
グリンスタイン最高経営責任者(CEO)はこれについて、債権者、顧客、従業員、提携会社などのステークホルダーのために同航空の価値を温存しなければならず、必要かつ責任ある行動だったと説明。破産法適用下の再建中も通常の営業を継続するとしている。
米航空各社の業績は大型ハリケーン「カトリーナ」後のジェット燃料費高騰で今月に入って一段と悪化しており、米航空会社全体の赤字額は今年、約100億ドルに膨らむとの予想も出ている。
デルタの場合はさらに、負債額が200億ドルを超えていたほか、年金基金の積み立て不足も他の航空会社に比べ多めだった。
破産申請によって、経費削減が進み年金債務を免れるなど、競争力強化という点で、アメリカン航空などの同業他社よりも優位に立てる反面、デルタが米国内路線を縮小し、世界で最も過剰になっている米国の航空輸送能力が削られれば、同業他社に恩恵をもたらすとみられている。(Yahoo!ニュース-ロイター)
米ノースウエスト航空、連邦破産法11条の適用を申請
米ノースウエスト航空は14日、連邦破産法11条の適用をマンハッタン地区破産裁判所に申請した。
同航空は、燃料費高騰、多額の年金コスト、航空運賃の低迷、同業他社との競争激化という問題に加え、8月20日から整備士がスト入りしていたが、ストは破産申請とは無関係と説明。再建中も通常の営業を続けるとしている。
破産申請時にも15億ドルの手元資金を抱えていたが、2005年の合計で約33億ドルに上るとみられる燃料費をまかなうため、経費削減を急ぐ必要があるという。
スティーランド最高経営責任者(CEO)は声明で、「連邦破産法11条を申請することによって、ノースウエストの変革を迅速かつ効果的に完了することを確実にできる」と指摘した。(Yahoo!ニュース-ロイター)
引用したニュース、まとめて解説しているものもあるのにわざわざ2つに分けたニュースから引用したのは、このロイターの記事で見ると、なかなか対照的に思えるものがあったからです。ノースウエスト航空(NWA/NW/ノースウエスト)のことを「ノースワースト」とか公言する人が多い日本では違和感があるかもしれませんが…。

デルタ航空(DAL/DL/デルタ)の記事を見ると、なんだか言いたい放題書かれている感じがします。「年金基金の積み立て不足が多め」だとか、「デルタが米国内路線を縮小されれば、同業他社に恩恵」とか、あまりいい話を書いていません。ロイターはデルタに規模を縮小して欲しいんでしょうか?まあ、ほとんど資産の切り売りという形でしのごうとしていたのはパンナム(パン・アメリカン航空…PAA/PA/クリッパーと同じですし、やはり端から見てもいい状態に見えていなかったのかもしれません。

一方、ノースウエストの記事を見ると、「破産申請時にも15億ドルの手元資金を抱えていた」とか、CEOの発言でも前向きなものを紹介したりとか、比較的好意的に書いているような印象を受けます。ノースウエストの場合、どちらかというと「傷が深くならないうちに入院してしまおう」という状態だったように見えます。もっとも、ノースウエスト自身が結構前向きな姿勢であることは、Webページを見ても明白なのですが。
ノースウエスト航空をご利用のお客様へ
このたびノースウエスト航空は、米国破産法第11条の適用を自主的に申請いたしました。 航空業界は労務費の上昇や過去2年間に渡る燃料費の倍増などにより、恒久的な影響を受けてきましたが、この手続きにより、ノースウエスト航空は、新しい時代の航空会社へと変革を遂げていくことができます。
お客様には、引き続き、安心してノースウエスト航空をご利用いただけます。航空券の購入、ご搭乗手続き、機内サービスやお荷物の手続きまで、従来どおりのサービスをお約束いたします。ワールドパークス・プログラムも継続され、会員の方のマイル獲得・ご利用、またエリート会員特典に関しましても現行のワールドパークス会員規約に基づき、提供してまいります。
引き続き、変わらぬご支援とご愛顧を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

ノースウエスト航空会社
社長兼最高経営責任者
ダグラス・M・スティーンランド
ワールドパークス会員にもメールが届きました。
平素は、ノースウエスト航空に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
このたびノースウエスト航空は、競争力を持つ新しい時代の航空会社へと変革するための第一歩として、米国破産法第11条の適用を自主的に申請いたしましたことを、ご報告いたします。
これらの文章を見る限り、悲壮感はあまりないですね…。

ノースウエストの場合、世界でも有数のお客に甘いマイレージプログラム「ワールドパークス」という強力なツールがありますし、リピーターに優しい会社であることは間違いありません。こういう業界は固定客をいかにつかむかどうかが成否を握っていることは確かですし、優れたマイレージプログラムは再建をする上でも絶対必要でしょう。資格などの切り下げはないものと考えていいと思います。
余談ですが、ワールドパークスは年間25000マイルの搭乗があれば上級会員「シルバーエリート」になれますが、これは何とロサンゼルスと東京を2.5往復するだけで達成できてしまいます。5往復で「ゴールドエリート」です。

まあ、ノースウエストは整備・運航のコストが高くつく古い機材も多いので、このあたりの整理から始めるのがいいのではないかと思います。

一方、記事だけで見るとあまり期待されていないようなデルタですが、L10-11トライスターのみならずMD-11も引退させ、実のところ機材だけならノースウエストよりは新しいはずです。アメリカ国内線の「ビッグ3」の1社なのですが、逆にその誇りが合理化を妨げたのでしょうか。どこまでも、かつてデルタに見捨てられたパンナムと似たような経過をたどっているような気がします。
ただ、パンナムのようにすぐに会社清算とならなかったのは幸いだったかもしれません。

いずれにしても、この2社はこれから再建に向かって尽力しなければならないわけです。
ただ、チャプター11適用=もうこの会社はダメ、と言うことではありません。コンチネンタル航空(COA/CO/コンチネンタル)は2回もチャプター11適用したにもかかわらず、現在のアメリカ航空会社の中ではかなり良好な状態を維持しています。そういえばデルタもノースウエストもコンチネンタルも、グローバルアライアンス「スカイチーム」のメンバーですし、3社が協調すれば、きっと光も見えてくる…と思っています。

この記事へのコメント

五月原清隆
2005年09月16日 01:14
 航空会社に限らず、アメリカって破産者にかなり寛大な国ですよね。失敗しても何回もやり直させてもらえますし、その度に何処かから出資者が現れます。1回失敗しただけで、企業も経営者も二度と表に戻れなくなる日本とは大きな違いです。
 しかし、ここまで堂々とチャプター11を行使されると、「少しは反省しろよ」とも思ってしまいますよね。この辺の強かさが、ノースウェストの強さなのかも知れませんが。それとも、単に日本人が普段から謝りすぎているだけなのかな?
SHU
2005年09月16日 09:20
TBありがとうございます。
それにしても、デルタとNWが同じ日に
破綻するとは・・。マイルが本当に気になってます。
ぐっち
2005年09月19日 11:35
TBありがとうございます。病気が悪くなる前に手術してしまえって感じに見受けられます(笑)。メガキャリアの中では残りはAAですね。あそこはまだ問題ないんですかね?各会社には頑張ってほしいです。